歯科医師になるには、歯科大学や歯学部で6年間の教育を受け、歯科医師国家試験に合格し、歯科医師資格(免許)を取得しなければなりません。また資格取得後、研修施設の指定を受けた病院・診療所などで1年以上の臨床研修が義務付けられています。臨床研修を終了して晴れて歯科医師になれるわけですが、ここで必要になるのが就職活動です。一般大学生と違って歯科医師の就職先はほとんどの人が歯科医院です。絞られているので簡単かと思いきや、失敗してしまう人も多いようです。
臨床研修明けの就職活動をするなら、必ず読んで自分に合った歯科医院を見つけましょう。
研修カリキュラム
以前は院長のアシスタントから始まって、徐々に院長から仕事を回してもらうという流れでした。どちらかというと師匠と弟子のような関係で育ててもらうという状況でしたが、最近の歯科医院では、臨床研修明けドクター「研修カリキュラム」というものを作成し、それに則って成長していくというパターンが増えているようです。
こういったカリキュラムがあると、1年後の自分はどのようになっているのかを想像できるので頑張る意欲も出てきます。
「研修カリキュラム」があるかどうかを、新卒を育てる環境が揃っている医院の一つの指標にするといいでしょう。
同期や同年代の存在
同期や同年代の先生の存在もかなり大きなポイントになります。年齢の離れた勤務医や院長だとベテランすぎて、臨床研修明けの先生がどの部分がわからないのか、どこでいつもつまづいてしまうのかという事が理解できなくなってしまいます。そういった意味でも、比較的年齢の近い先輩が直接指導してくれる方が話しやすいというメリットがあります。
また、同期の存在というのはかけがえのないものです。歯科医師になって「これで歯科医師としてやっていけるのだ!」と思っていても、必ず実際に患者さんを診療していくうちに、自分の未熟さを感じる時があります。そういった経験を同じ時期に味わうのが同期であり、それを一緒に乗り越えていく仲間でもあります。学生時代の友人とも違う仲間と言えるでしょう。切磋琢磨して互いに成長できるからこそ乗り越えられる山があります。可能であれば同期がいる医院を選ぶ方が良いかもしれません。
また女性歯科医師の場合は、同性の先輩ドクターが在籍している医院の方が働きやすいかもしれません。比較的、院長は男性の場合が多いこともあって、「院長」「男性」「歯科医師」という繋がりはあるのですが、どうしても「女性」の場合は、更衣室や休憩室などがスタッフと一緒になる場合も多くあります。若い臨床研修明けの女性歯科医師であれば、スタッフの方が年齢も経験年数も上になってしまう事もあり、時にはやりにくい部分が生じてしまう場合もあります。そのあたりが気になる方であれば、女性勤務医が在籍している医院を選ぶことをお勧めします。
院長と子弟関係
同期の重要性はお話しましたが、なかには「研修カリキュラム」や「同期の存在」が性格的に合わない人ももちろんおられます。カリキュラムに沿ってというよりは自分自身のスピードで成長していきたい、同期の成長スピードが気になってしまうという方は、院長から直々に教えてもらえる環境を選ばれると良いかと思います。
実際、院長と研修医明けの自分だけという環境で勤務をされた先生は、このようにいわれていました。
確かに、院長と二人の状態にもそれなりにメリット・デメリットがあります。
どっちが自分には向いているのかな?
・ 同年代や同期がたくさんいる環境
・ 院長と二人の環境
どちらが自分には向いているのかなと悩んでしまうところですが、ここで間違いをしてしまう人が多いようです。
自分は人付き合いが得意ではないので、大きな組織は苦手かも。
あまり同期と切磋琢磨しながらといった関係は得意ではない。
このような苦手意識を持った方は、つい「院長と二人の関係」を選びがちなのですが、「院長と二人の環境」は危険をかなり含んでいます。院長との関係がマッチすれば最高ですが、そうでなかった場合に逃げるところが無いため追い込まれてしまいます。
また院長は日々の診療で忙しいため、手取り足取り教えてはもらえないことを覚悟する必要があります。「能動的に動ける人」「積極的に自分から院長に声掛けできる人」であればいいのですが、そうでない方にはあまりお勧めできません。
もし、自分はそれほど積極的なタイプではないと思う方であれば、ある程度引っ張っていってもらえるような「同年代や同期がたくさんいる環境」をおススメします。
学生時代を思い出して下さい。1クラスの中には色々なタイプのグループがありましたよね。それと同じです。人数が多ければ自分と合う性格の人を見つけることもできるはずです。決して人数が多いと全員と仲良くしないといけないと思う必要はありません。
臨床研修明け就職活動 Q&A
歯科医師になるには、まず歯科大学や歯学部で6年間の学習を経て歯科医師国家試験に合格し、歯科医師資格(免許)を取得します。その後、指定された病院や診療所で1年以上の臨床研修が必要です。
歯科医師の就職活動では、一般大学生とは異なり、就職先としてほとんどの人が歯科医院を選びます。しかし、選ばれた範囲が狭いため、適切な選択をすることは難しく、失敗する人も多いです。
最近の歯科医院では、臨床研修明けの医師のために「研修カリキュラム」を作成し、それに従って成長していくパターンが増えています。このカリキュラムがあると、1年後の自分がどうなっているかを想像することができ、努力の意欲も湧きます。
同期や同年代の先生の存在は大きなポイントです。彼らと一緒に成長し、患者を診療する中で自分の未熟さを感じることがありますが、同じ経験を共有することで互いに乗り越えていくことができます。
院長から直接教わることできます。同期と共に成長することも大切ですが、人と合わせることが苦手で、自分自身のペースで成長する方が向いていいる人もいますので、そういう人には、院長と二人という環境は良いと思います。
まとめ
臨床研修明けの初めての就職活動では、研修明けの先生を育てる環境が整っているかが一番のポイントになります。院長もどのように育てればいいのかわからず、院長のアシストばかりをさせているといった状況では大切な時期を無駄にしてしまいます。求人をしている医院は若いドクターを採用したいために「育てますよ」と必ず言われます。
入職してからの自分の姿が想像できますか?