「歯科」「口腔外科」を標榜している病院もたくさんあります。では街中でたくさん見かける歯科医院と病院の「歯科」「口腔外科」とは何が違うのかご存知でしょうか? また「病院歯科」と言ってもまったく違う内容の場合があります。今回はその違いについてご説明します。
目次
「病院」と「診療所」の違い
医療機関には「病院」と「診療所」という分類があります。 「病院」と「診療所」の違いは患者さんが入院できるベッドの数で、 患者さんが入院できるベッドの数が20床以上ある医療機関は「病院」と呼ばれ、19床以下の医療機関は「診療所」と呼ばれています。
歯科医院は、基本的に入院体制がないので、「診療所」の分類に入ります。
「歯科」を分類すると
歯科医院(診療所)はもちろんですが、病院にも「歯科」「口腔外科」という標榜があります。ではこれらの歯科はそれぞれどのように違うのでしょうか?
逆に、「歯科」を分類して見ると
A/病院(大学病院や急性期病院)の歯科
B/病院(療養型病院)の歯科
C/歯科医院の外来診療
D/歯科医院の訪問診療
このように4分類にすると分かりやすいのではないでしょうか。
「病院」と「診療所」の役割
では、次にそれぞれの役割についてみてみましょう
病院の役割
・病気を治療する医療機関としての役割
・新しい治療法や難症例を研究する研究機関としての役割
・大学病院であれば歯科医師を育てる教育機関としての役割
診療所の役割
・地域の住民の総合的な治療を行う、かかりつけの歯科医院としての役割
・歯科健診などを通じ、地域住民の口腔保健向上の役割
・通院が困難な患者様に対しても居宅サービスなど継続した医療を提供する役割
以上のように、それぞれが担う役割は全く違います。
しかし、ここでご紹介した「病院の役割」の3つは病院の中でも主に、「A/大学病院・急性期病院」の役割と言えます。
そのため「B/療養型病院」には当てはまらないと言えるでしょう。
「B/療養型病院」と「D/歯科医院(訪問)」の違い
では、「B/療養型病院」と「D/歯科医院(訪問)」とはどこが違うのかということですが、母体が「病院」か「診療所」かという違いがあります。
また、どちらも比較的、高齢者であることは共通していますが、
「B/療養型病院」・・・ 有病者
「D/歯科医院(訪問)」・・・健常者
という大きな違いがあります。しかし、健常者と言えども高齢者に変わりはありませんので、色々なお薬を飲まれていたり、身体の不具合もありますので、一般的に言う健常者ではありません。
となると、この、「B/療養型病院」と「D/歯科医院(訪問)」はかなり似通ったものであると言えるでしょう。
「A/大学病院・急性期病院」と「C/歯科医院」の違い
では、「A/大学病院・急性期病院」と「C/歯科医院」の違いについては以下のようになります。
●「A/大学病院・急性期病院が標榜する歯科」
歯科医院ではリスクがあるような、難抜歯・嚢胞・口腔がん・全顎的な矯
正治療・交通事故などの外傷・入院患者の対応
●「C/歯科医院」
一般的な歯科治療や審美を目的とした歯科治療など
「虫歯が痛い」「入れ歯の調子が悪い」「メンテナンス」「ホワイトニング」
大学病院・急性期病院の外来で行う歯科治療は、歯科治療と言えども、歯科医院での治療とは全く違ったものとなります。基本的に、大学病院や急性期病院は、患者様がまず最初に行く場所ではなく、歯科医院から紹介状をもらっていくことがほとんどです。
「病院の歯科」と「歯科医院」の違い Q&A
「病院」と「診療所」の違いは、患者さんが入院できるベッドの数で区別されます。一般的に20床以上ある医療機関は「病院」と呼ばれ、19床以下の医療機関は「診療所」と呼ばれます。
「病院」の役割は病気の治療や研究、教育機関としての役割があります。一方、「診療所」は地域の住民の総合的な治療や口腔保健の向上、通院困難な患者への医療提供などを行います。
「大学病院・急性期病院」の歯科は難症例や口腔がん、交通事故などの外傷に対応する一方、「歯科医院」は一般的な歯科治療や審美治療を行います。
両者は高齢者を対象としていますが、母体が病院か診療所かという違いがあります。また、「療養型病院」は有病者を対象に、「歯科医院(訪問)」は健常者であっても高齢者の診療を行います。
「歯科医院」の主な役割は一般的な歯科治療や口腔保健、審美治療、入れ歯のメンテナンスなどを提供することです。また、継続した医療を必要とする患者に対しても居宅サービスを行うこともあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「病院」と「診療所」の違いだけではなく、その中でも大きな違いがある事をご理解頂けましたか? では、病院歯科の人気の理由と実態を次回はお話させて頂きます。