「そろそろ常勤から一歩踏み出したい」
「決まった場所に縛られずに働けたら…」
「フリーランス的に活躍する歯科医師って実際どうなの?」
そんな想いを抱える歯科医師が、今、確実に増えてきています。
特に30代以降、「家庭との両立」「副業の拡大」「自分のペースを保ちたい」といった理由から、“ネットワーク型”の働き方に目を向ける先生が多いのが現状です。
目次
ネットワーク型歯科医師とは?
ネットワーク型とは、“一つの職場に縛られず、複数の医院や職場で活躍する働き方”を指します。たとえば、
月・水は訪問専門クリニックで勤務
火・木は自由診療中心の自費クリニック
金曜日は子どもとの時間&YouTube撮影
土曜は非常勤でインプラントのアシスタント
日曜はセミナーやオンライン講座講師
こうした“時間とスキルの使い方を自分で設計する”自由なスタイルが、まさにネットワーク型の特徴です。
「ネットワーク型歯科医師」と「非常勤歯科医師」の違い
「ネットワーク型歯科医師」と「非常勤歯科医師」は似ている部分もありますが、意味やニュアンスは少し異なります。
「ネットワーク型」という言葉には、単に「雇用形態(常勤 or 非常勤)」という意味を超えて、“つながり”や“複数の場所での活動”という概念が含まれています。
【ネットワーク型】
- 複数の歯科医院に非常勤で勤務している
- 医院同士・経営者同士のネットワークの中で仕事が成り立っている
- 単発・スポット勤務や紹介ベースの働き方が多い
- SNSや人脈を活用して勤務先を見つけたり、診療以外の活動もしている
- 自由な働き方、かつ“自己ブランディング”を意識している人が多い
一方、「非常勤歯科医師」というのは、“勤務形態”としての分類に過ぎません。
【非常勤勤務】
- 週1〜数日勤務など、勤務日数が限定されている
- 常勤(フルタイム)ではない
- 1カ所だけで非常勤をしている場合もあれば、複数掛け持ちしている場合もある
- 勤務先によっては、組織に深く関わらず、あくまで“代診”としての役割にとどまることも
用語 | 意味・特徴 |
---|---|
非常勤歯科医師 | 雇用形態に関する分類。週数日・時間限定など。勤務スタイルの一種。 |
ネットワーク型歯科医師 | 働き方・キャリアスタイルに近い概念。非常勤も含むが、より自由で多拠点・多面的な動き方を意味することが多い。 |
- 非常勤=「どこで何時間働くか」
- ネットワーク型=「どうやって仕事をつくり、つながり、働くか」
という違いです。
「ネットワーク型歯科医師」が出てきた背景
医院の数が増え、働き方の選択肢が広がった
日本では歯科医院がコンビニより多いとも言われる時代で、医院同士の競争が激化する中、勤務医を確保したいというニーズが高まり、非常勤・スポット勤務の求人が増加しています。歯科医師の方は、医院を“選べる”時代になり、歯科医師が複数の医院を掛け持つという働き方が一般化しつつある状況です。
結果として歯科医師が「組織に属する」のではなく、「ネットワークを活かして働く」スタイルが自然に生まれたといえるでしょう。
“1つの職場に縛られたくない”という価値観の広がり
若手歯科医師を中心に、「常勤で朝から晩まで」という働き方に疑問を持つ声が増えている一方で、ライフスタイルやキャリア志向に合わせて、「複数の医院」「時間に融通の利く勤務先」を選ぶというニーズが強まっています。
自由で柔軟な働き方を求める中で、ネットワーク型の働き方がマッチしているのでしょう。
歯科医師同士の紹介・横のつながりが強くなっている
SNSやスタディグループを通じて、歯科医師間のネットワークが可視化・活性化しています。そのため求人サイトではなく、「紹介」「つながり」で勤務先が決まるケースも多数です。「人脈=仕事につながる時代」となり、フリーランスのように動ける歯科医師が増えている状況です。
結果として、医院と個人ではなく、「人と人の関係性で仕事を作る」時代になってきました。
医院側も“柔軟な勤務形態”を求めるようになってきた
常勤医の採用が難しい中、「週2日だけでも来てくれる先生を複数確保したい」という医院が増えています。常勤医を雇うより、診療時間帯や曜日ごとに必要な人材を柔軟に確保したいという医院型の考え方と、ネットワーク型勤務医との相性が良いことが広がりにつながっているのでしょう。
要するに、医院と、“自由に働きたい歯科医師”のニーズが一致しやすくなっているということです。
「常勤だから安心」の時代は終わりつつある
以前は「常勤で安定していれば安心」と思われていましたが、今では、常勤であっても将来的な安定は保証されません。むしろ、スキル・経験・人脈を“複数の場所”で積むことが、歯科医師としての価値を高める時代です。
「常勤」という働き方そのものが完全になくなる可能性は低いですが、一方で “常勤だけが正解”という価値観は確実に薄れていく と言えます。
ネットワーク型歯科医師の登場と「常勤勤務」のこれから
なぜ“常勤”という働き方は今まで主流だったのか?
- 安定した収入・社会保険などの福利厚生
- 院長や上司に直接指導してもらえる環境(教育重視)
- チームの一員として医院に深く関われる
- キャリアの初期に「経験値を積む場」として機能していた
これらの理由で、特に若手にとって「常勤」は王道の働き方とされてきました。

今、常勤の“前提”が揺らいでいる理由
-
自由や柔軟性を重視する価値観の広がり
→「週5で同じ場所に縛られたくない」「プライベートも大事にしたい」若手が増加 -
開業のリスク増+常勤の収入の限界
→ “頑張っても収入が頭打ち”の現実から、他の収入源を模索する声も -
ネットワーク型・ポートフォリオ型で稼働する先生が増えている
→ 自由に医院を選び、複数の仕事を組み合わせて働く流れが浸透中 -
医院側も「常勤採用が難しい」状況に
→ 「常勤を1人雇うより、非常勤を複数確保したほうがリスクが少ない」と考える医院も増加している
ネットワーク型と常勤、これからどう共存していく?
ポイント | ネットワーク型歯科医師 | 常勤歯科医師 |
---|---|---|
働き方の柔軟性 | ◎(高い) | △(医院次第) |
教育・育成環境 | △ | ◎(直接指導を受けやすい) |
安定性 | △(収入に波あり) | ◎(毎月固定) |
多拠点・自由度 | ◎ | △ |
チームでの深い関わり | △ | ◎ |
これからは「どちらが良い」ではなく、「どちらが自分に合っているか」で選ぶ時代です。
まとめ
「ネットワーク型歯科医師」の登場は、“常勤という働き方が時代遅れになる”というよりも、
▶ 「常勤以外にも選択肢がある」
▶ 「キャリアを組み合わせて柔軟に設計できる」
▶ 「自分らしく働ける道を選べる」
という、働き方の多様化とキャリアの自由化を意味しています。
