
これからの歯科医師は、ただ“上手に診療ができる”だけでは選ばれない時代です。
大切なのは、“あなた自身が誰なのか”が伝わること。
つまり、「この人に診てもらいたい」と思われる、“自分ブランド”を持った歯科医師こそが、これからの時代に求められる存在なのです。
目次
「個の時代」に突入した歯科医療業界
SNSやYouTube、口コミサイトなどの普及により、これまでのように「家の近く」「有名な医院」だから選ばれるのではなく、患者さんが「歯科医師個人」を見て選ぶ時代へとシフトしています。
たとえば──
- 説明がわかりやすくて信頼できそう
- 優しそうで、話しかけやすい雰囲気がある
- SNSやブログでの発信に共感できる
- 実際に診てもらった人が「この先生良かったよ」と紹介していた
このように、「あなたという人柄」や「伝え方」「印象そのもの」が、患者さんにとっての“選ぶ理由”になってきているのです。
つまり、医院の名前や立地よりも、「誰に診てもらうか」が価値になる時代。
あなた自身の持つ信頼感、発信力、コミュニケーションの姿勢が、そのまま診療予約に直結する「ブランド」になるといっても過言ではありません。
個の時代に歯科医師が意識すべき3つのこと
自分の「伝え方」を持つ
〜何を言うかより、どう伝えるか〜
これからの時代、診療中の説明だけでなく、SNSやブログなどを通して「患者さんにわかりやすく伝える力」がますます重要になります。
- 難しいことをやさしく伝える技術(例:治療の選択肢、自費の価値など)
- 自分の診療スタンスや考えを言葉にして発信する力
- 表情や話し方、印象づくり(動画や写真で伝わる空気感)
「言われた通りにやる先生」より、「納得して話してくれる先生」が信頼されます。
“伝える力”は、診療の価値を何倍にもしてくれる時代です。
共感される「人柄」をにじませる
〜距離感の近い医療人が選ばれる〜
今の患者さんは、ただ腕の良い先生よりも、「感じがいい」「親しみやすい」人を求めています。
- 笑顔や丁寧な対応、気遣いが“選ばれる要因”になる
- 自分らしさ(話し方・雰囲気・背景)をオープンにして親近感を持ってもらう
- 発信内容にも「専門家らしさ」+「人間らしさ」を意識する
人柄は“差別化ポイント”になりやすく、医院ではなく「〇〇先生に会いに行く」という指名が増えていきます。
あなたにお願いしたい!を生む「信頼」づくり
〜技術+α の信頼で選ばれる〜
技術や知識はもちろん大切ですが、それだけでは選ばれ続けるのが難しくなっています。
- SNSやWebで「この先生に任せたい」と思われる信頼感の構築
- 一貫性ある発信・対応・雰囲気による“ブランド化”
- 患者の声・他人の評価(レビュー・紹介)も活用して信頼を後押し
「誰に診てもらうか」が決め手になるからこそ、日々の言動や小さな積み重ねが未来の指名につながります。

誰でも「個の力」は育てられる
─ 自分ブランドは、日々の積み重ねから生まれる ─
「自分をブランド化するなんて、自分には無理だ」
そう感じる方もいるかもしれません。
でも実際には、自分ブランドは特別なスキルや実績を持つ人だけのものではありません。むしろ、日々の診療の中で自然に育まれていくものです。
たとえば──
- 治療の選択肢をていねいに説明して、患者さんが安心して決断できるようにしている
- 小さな変化に気づき、言葉にしてスタッフを気遣っている
- 一人ひとりの患者さんに合わせた声かけや対応を心がけている
こうした「あなたらしさ」がにじみ出る場面こそが、ブランディングの種になります。
1. まずは、自分自身を振り返ることから
自分ブランドをつくるための第一歩は、“自分をよく知ること”です。
-
どんな診療スタイルが得意だと思うか?
(スピード重視/丁寧重視/カウンセリング型/自費提案型 など) -
どんな考え方や信念で日々の仕事に向き合っているか?
(患者さんとの関係性を大切にしている/無理な治療は提案しない など) -
どんな人から「ありがとう」と言われることが多いか?
(子どもから?高齢者から?忙しいビジネスマンから?)
このように、自分の診療スタイルや価値観を【言語化すること=自分ブランドの輪郭をはっきりさせる作業】なのです。
2. ブランドは「選ばれる理由」になる
患者さんがあなたを選ぶ理由は、必ずしも「技術」や「経歴」だけではありません。
- 話しやすい雰囲気
- 丁寧に説明してくれる安心感
- 誠実さや信頼感
- 柔らかい口調や優しい眼差し
それらすべてが「この先生でよかった」と感じさせる「あなた自身の価値」になります。
ブランドとは、ただ「目立つこと」や「自分を大きく見せること」ではなく、
「日々の振る舞いや関わりの中から自然に滲み出ていく」信頼の積み重ね”です。
自分ブランドの育て方|3ステップ
【STEP 1】自分を“棚卸し”する
─ 自分らしさのヒントは、すでに現場にある ─
まずは、自分がどんな歯科医師でありたいか・どう見られているかを言語化することから始めましょう。
✔ どんな治療や対応を得意としている?
✔ 患者さんにどんな印象を持たれることが多い?
✔ スタッフや同僚からどんなところを評価されている?
✔ これまで感謝されたエピソードはどんな時?
「自分にとっては当たり前」の中に、他人から見れば“価値”や“魅力”になる部分があります。
まずは振り返り・書き出すことが、自分ブランドの輪郭をつかむ第一歩です。
【STEP 2】“言葉”と“行動”で伝える
─ ただ存在するだけでは伝わらない ─
せっかく持っている自分らしさも、相手に届かなければ意味がありません。
そこで大事なのが「伝え方」です。
- SNSやブログなどで、自分の診療スタンスや考え方をシンプルに発信する
- カルテや説明の中で、自分の大切にしている価値観を言葉にする
- 初診時などに「自分はこういう診療を大切にしています」と一言添えるだけでも印象が変わる
言葉にして伝えること、そして日々の行動で一貫性を見せることで、“信頼”という形のブランドが育っていきます。
【STEP 3】経験と評価を“積み重ねる”
─ 小さな実績が信頼の土台になる ─
ブランドは一瞬で作るものではなく、小さな積み重ねでしか育ちません。
- 患者さんとの会話を丁寧にする
- SNSで役立つ情報を継続的に発信する
- 院内スタッフからの信頼を得る
- 学びを続け、スキルアップしていく
「この先生にお願いしたい」と言われる瞬間の裏には、数えきれない小さな行動があります。
自分らしさを持って、着実に“信頼の土台”を築いていきましょう。
これからの歯科医師に求められる“自分ブランド”とは? Q&A
はい。患者さんは「医院」ではなく「誰に診てもらうか」で選ぶ時代。人柄や伝え方も信頼の要素になります。
まずは自分の診療スタイルや信念を棚卸しし、言葉と行動で発信すること。日々の積み重ねがブランドになります。
技術は大前提ですが、「わかりやすい説明」「親しみやすさ」も大切。信頼される要素は人柄にもあります。
無理ではありません。院内での対応や患者さんへの姿勢も立派な発信。自然体の魅力がブランドになります。
はい。年齢や経験に関係なく、信頼や印象は積み重ね。小さな意識の積み重ねが、将来の“選ばれる力”になります。
まとめ
医院の看板ではなく、“あなた”が選ばれる時代へ
これからの歯科業界は、「医療の質×人としての魅力」が問われる時代。
だからこそ、“あなた自身の価値を、どう届けていくか”を意識することが、長く信頼され、選ばれ続ける歯科医師になるカギとなります。
