「面接」に行った際に「見学」をすることが良くあります。「見学」といえば求職者が医院や診療を見学すると考えておられる方がほとんどだと思います。でも、逆に求職者も見られていることを忘れないで下さいね。
面接と見学って同じ日にするの?
「面接」には色々なパターンがあります。面接だけを行い、見学は後日という歯科医院もありますし、「面接」の前後どちらかに「見学」の時間を設ける歯科医院もあります。
最近では大きな医療法人が増えており、面接は事務所の方で行い、第一面接を通過した人は、次のステップとして医院の見学をするというところもあります。
ただ、求職者としてはどのようなところで働くのかわからないのに、ここに就職しようと心を決めることは出来ないと思います。なので、可能であれば「面接」と「見学」を同日に済ませてしまう方が良いのかなと思います。
医院の方から「見学もされますか?」と聞かれた場合は、是非「見学」もした方が良いでしょう。
見学の時間ってどのくらい?
見学の時間は自分で最初から決めることをお薦めします。もちろん、医院から時間の設定をされるときは従うですが、逆にどのくらい見学されますか?と聞かれる場合も多いです、その時ははっきり自分から時間設定できるように、考えておくと良いでしょう。
なぜなら、「見学」→「面接」であればよいのですが、「面接」→「見学」だった場合、帰るきっかけが言い出せなくて帰れないという状況に陥ってしまうからです。
院長先生は診療に入られてしまい、次から次から来られる患者さんの対応で忙しくなり、声をかけづらくなります。また、院長先生からすれば見学しているのに「もう帰っていいよ」とは言い出しにくいですし、患者さんの対応でそれどころではなくなる場合もあります。
最初から、「15時まで見学させて頂きます。一声かけさせていただきますが、お忙しいようであればそのまま失礼させて頂きます」とお伝えしておけば、「面接」の段階で一旦すべて終了にしておくことができます。とはいえ、もちろん帰るときには忙しくても院長先生、スタッフに一声ご挨拶をして帰るべきです。
見学の時間に関してですが、午前診を見学したいですと長時間での見学を希望される先生もおられますが、「どのくらいすればいいですか?」と質問されることがよくあります。
クリニックの規模にもよりますが、1時間~1時間半くらいが良いのではないでしょうかとお答えしています。
あまりに短すぎても、やる気がないように思われますし、緊張している状態で長すぎても体力を消耗すると思います。以前、女性の先生に1時間半でどうでしたか?と伺ったところ、丁度良かったですと言われていました。1時間では少し短い気もするし、2時間だとちょっと疲れるので、1時間半くらいがちょうど良いとその先生は
感じられたようです。参考になさって下さい。
以前、小児歯科に興味を持たれていた先生が、午後診療の患者さんのアポを見られて小児の治療がある時間を確認され、この治療まで見学させて下さいと言われたこともありました。 見学に目的とやる気を感じる良い姿勢だと思われます。
評価の悪い見学態度は?
最初にお話をしたように、「見学」は求職者が「見学」するだけではなく、その医院に勤務している先生やスタッフがあなたを見ているという事を意識して下さい。
実際にあった事例でご説明します。
見学の際に院内の棚や引き出しを勝手に開ける人がいます。院長先生から「勝手に開けてみて下さいね」と言われたのであればOKです。逆に開けて良いと言われているのに、全く開けないと言うのも興味がないのかなと思われてしまいますので、開けて良いと言う許可をもらった時は是非、どのような材料を使っているのかなどを扉を開けて確認してみるといいでしょう。
ただ問題は、何も言われていないのに勝手に開ける人がいます。これは医院側としては気分の良いものではありません、他人の家に行って冷蔵庫を勝手に開けるような印象です。
「開けさせて頂いても宜しいでしょうか?」と確認して下さい。
壁際に立っていただけだとは思うのですが、壁に頭を持たせかけていたとスタッフが院長に報告して不採用になった先生もおられました。
また、見学の際に足を擦りながらダラダラと歩いたことを女性スタッフに注意された見学者もいました。 最近はドクターの採用に関しても院長の独断で合否を決めるのではなく、一緒に働くことになるスタッフの意見を聞く院長も増えています。スタッフはこういう時にチェックしていますので、要注意です。
見学から好条件が出る可能性も・・・
見学の態度も人それぞれです。後ろの方からじっと見ている人もいれば、院長の背中越しに患者さんのお口の中を覗き込もうと見学している人もいます。その人の性格もありますので、何が正解かは分かりません。ただやる気のある態度を見せるようにはしたいものです。
患者さんのチェアーが倒され、目隠しをされたら、ぐっと近づき、チェアーが起こされたら後ろに下がるという配慮のできる人は好印象です。 治療をしている先生に対してというよりも患者さんに対して配慮をしているからです。 こういう気配りはしっかり院長はじめ周りの方は見ているものです。
見学は悪い部分をチェックされているだけではありません。以前、このようなことがありました。
見学の際に、治療をする院長の手元にうまくライトが当たっていないと気付き、ちょっとライトを動かしたそうです。 そのちょっとした気づきと行動に、院長が大変喜ばれ、是非ともうちで働いて欲しいと、高額な金額提示で採用意思を表明されたことがありました。
見学の際のQ&A
歯科医院によって違います。面接後と見学を同じ日に行う場合もありますし、見学を希望するなら後日という歯科医院もあります。
一般的には1時間から1時間半程度が適切ですが、医院の規模や状況によって異なる場合もあります。一医院を見学することで希望の所要時間を聞かれた場合は、1時間から1時間半くらいを希望されてはいかがでしょう。
最初から見学の時間を明確に伝え、帰るタイミングを事前に伝えておく方が良いと思います。忙しい状況下でも丁寧な挨拶をして帰ることが望ましいです。
見学中の行動や態度は医院側からも評価されます。配慮や気配りがあり、患者さんや医院スタッフに対する配慮があると好印象とされます。
見学中に適切な配慮や気づきを示すことで好印象を与えることがあります
まとめ
「見学」だからと侮るなかれ!見学での態度が高待遇の採用になることもあれば、不採用になる場合もあるということです。